• 作成日 : 2024年8月22日

エクセルで間取り図を無料作成する方法は?セル設定のコツや見やすい図を作るポイントを解説

間取り図とは、建物内部のスペースの配置を平面的に示した図面のことで、家を建てる際の設計や、お客様への提案資料として活用できます。無料のツールを使えば、コストを抑えつつ効率的に間取り図を作成できます。

この記事では、間取り図を作成する方法や見やすい図を作るポイントを紹介します。

間取り図とは?

間取り図は、部屋の配置や大きさ、出入り口や窓、家具の位置など、建物内部のスペースの配置を平面的に示した図面のことを指します。住宅を設計する際に、建築やリフォームの計画段階で役立ちます。

間取り図を作成することで、建物の設計をより具体的に検討することができ、気になる点を早期に発見・修正することが可能になります。また、完成後の部屋の使い勝手を事前に想像することもできるため、満足のいく住宅を実現するのに欠かせない図面といえます。

家を建てる際のイメージとして間取り図を作成するケースやお客様への提案資料として作成するケースもあるでしょう。無料のエクセルテンプレートやソフトウェアを活用すると、効率的に作成できます。

エクセルで間取り図を作成する方法

①セルを尺モジュール(正方形)に設定する

エクセルで間取り図を作成する際は、まず、セルを尺モジュール(正方形)に設定します。尺モジュールとは、建築設計の際に基準となる寸法のことを指します。日本の住宅では、昔から「約910mm(約91cm)=3尺」とする「尺モジュール」が使われ、設計図では3尺×3尺を1マスとします。

作成方法は、まず、エクセルを開き、新しいワークシートを作成します。次に、「ホーム」タブの「書式」グループにある「セルのサイズ」をクリックします。ここで、「行の高さ」と「列の幅」を同じ値に設定します。これにより、セルは正方形(尺モジュール)になります。

具体的な手順は以下の通りです。

  1. エクセルの列を選択:右クリック→列の幅を選択し、列の幅を3.63に設定します。
  2. エクセルの行を選択:右クリック→行の高さを選択し、行の高さを25.5に設定します。

その次に、セルの枠を点線に変更します。

  1. セルを選択:点線に変更したいセルを選択します。
  2. 右クリック「セルの書式設定」を選択:罫線タブより点線を選択します。

この設定により、エクセルのグリッドが間取り図の作成に適した形状になります。部屋の配置や通路の幅など、間取り図の各要素を正確に表現するのに役立ちます。

②土地の形状を作る

次に、土地の形状を作成します。以下に、その手順を詳しく説明します。

  1. 「挿入」から「図形」を選択:「線」を選択することをお勧めします。
  2. 図形を選択:右クリック→「サイズとプロパティ」をクリックします。 図形の調整をすることができます。

図形を選択し、土地の形状に合わせて長さ(実測値の100分の1)を幅に入力します。

③室内室外の間取り図形を作る

最後に、室内や室外の間取り図形を作成しましょう。

  1. 「挿入」から「図形」を選択:「長方形」や「線」を選択することをお勧めします。部屋の形状や通路を表現するのに最も一般的な形状です。
  2. 図形を選択:「サイズとプロパティ」をクリックし図形を調整することができます。
  3. 図形の色や線の太さを調整:部屋の特性(例えば、部屋の種類や床材)を表現することができます。

間取り図をエクセルで作成するポイント

図形を透明にして重なりを可視化する

部屋の間仕切りや壁を表現する際は、図形を重ねて配置することが多くなります。

その時、図形の線や塗りつぶしを透明に設定すると、図形同士の重なりがわかりやすくなります。

エクセルで図形を透明にする方法は以下の通りです。

  1. 図形を選択:まず、透明にしたい図形を選択します。
  2. 「書式」タブをクリック:エクセルのメニューの中から「書式」タブをクリックします。
  3. 「形状の塗りつぶし」をクリック: 「書式」タブの中にある「形状の塗りつぶし」をクリックします。
  4. 「その他の塗りつぶし色」を選択: 「形状の塗りつぶし」のドロップダウンメニューから「その他の塗りつぶし色」を選択します。
  5. 「色」タブを選択し「透明度」を調整:「色」タブの下にある「透明度」スライダーを使用して、図形の透明度を調整します。

図形にテキストを追加しわかりやすくする

部屋の用途や名称を表示するために、図形にテキストを重ねて追加します。例えば、「子供部屋」「LDK」「洗面所」といった具合にテキストを入力すると間取り図の意味がより明確になります。

エクセルで図形にテキストを追加する方法は以下の通りです。

  1. 図形を選択:まず、テキストを追加したい図形を選択します。
  2. 図形をダブルクリック: 図形をダブルクリックすると、テキスト入力モードになります。
  3. テキストを入力:図形内に直接テキストを入力します。例えば、部屋の名前や寸法など、間取り図をわかりやすくするための情報を追加できます。
  4. テキストの書式を調整:必要に応じて、「ホーム」タブからフォントの種類、サイズ、色などを調整します。

「配置」で複数の図形を一括で揃える

部屋の配置を決める際、複数の図形を一気に整列させると作業が効率的になります。

エクセルの「配置」機能を使えば、選択した図形を一括して左寄せや中央揃え、等間隔配置などに設定できます。

これにより、部屋の配置を手早く調整することができます。

エクセルで「配置」を使用して複数の図形を一括で揃える方法は以下の通りです。

  1. 図形を選択:まず、揃えたい図形を選択します。Ctrlキーを押しながら各図形をクリックすることで、複数の図形を選択することができます。
  2. 「書式」タブをクリック:「書式」タブの中にある「配置」をクリックします。
  3. 揃えたい方向を選択: 「配置」のメニューから、揃えたい方向(例:左揃え、上揃えなど)を選択します。

エクセルで間取り図を作成する際の注意点

エクセルを用いて間取り図などの建築図面を作成することは確かに可能です。

ただし、エクセルの機能では縮尺がずれる可能性があり、また壁を二重線で描くなどの細かな表現ができないなど、正式な図面を作成するには難しいといえます。

あくまでも部屋の配置のイメージを捉えるための簡易的な図面であることを前提としておくことをおすすめします。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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